諏訪は私のルーツの地で祖父までは諏訪で育ったということから,父からも諏訪の話をよく聞かされていたので製図するのが楽しみでした。本図では諏訪の特徴である工業が浮き出るようにデザインしてみました。最初は工場を以前の地図でも使ったように黒ベタで表現しようと思いましたが,工場の数が多いのと敷地面積が大きい工場が地図の真ん中に二つもあるので地図が暗く重い感じになるのを恐れて変えることにしました。工業に使った模様は使い勝手がよく,太線の太さを変えたり太線と細線の間隔を変えたりすれば非常に強い表現にもなれば少し柔らかい表現にもなります。
この地図で残念だったのは,諏訪大社下社の春宮から国道142号線に沿った地域が山野縁に当たる部分だったので地形の表現ができたらもっと地図らしくなったのではと思います。
余談ですが,本図以降は地図の中で原図に不明な点や変だなと思ったときには,行ける範囲なら自分で車を走らせて確認しに行くことに決めました。製図を引き受けた地図をなるべく正確に描く努力をすることは,カルトグラファーにとって重要なことだと思います。