本図は私も調査に参加したので思い出深い地図です。地図のデザインで心がけたのは,前にも書きましたが地図全体のトーンが大まかに三つのトーンになるように模様を考えました。あと調査地域は天竜川の河岸段丘上に位置しているので段丘崖を描こうと思いました。
模様に関しては中心部に立地する商・サービス・雑居ビル等の模様が程よく浮き出ていて良かったと思います。そして中間調のグレーにしたかった住宅も上記の濃い模様とのコントラストのバランスがちょうど良かったと思います。ただ惜しいのは住宅と公共施設や宗教施設とのコントラストが少なかったことが悔やまれます。公共施設や宗教施設の模様に使う線を若干細めにするか二条線の間隔を若干広めにしてトーンを少し淡くするとお互いが目立ってくるのではないかと思いました。次に段丘崖の表現ですが,ケバを用いて表現してみました。しかしケバの線が細すぎたのとケバの間隔とケバの線の長さとのバランスが悪く,思ったように浮き出てきませんでした。なお本図からは,本製図に入る前に模様のサンプルを沢山描き,その中からバランスの良い組み合わせを見つけて製図するように作業工程を変えました。面倒くさがらずにもっと以前からやっておけば・・・。