本図では石岡が陸前浜街道の宿場町であったので,宿場町に多く見られる短冊形の細長い地割を目立たせたいと思い地割りの区画線の描き方を工夫してみました。いつもは細い実線で描くのですが,これだと商業のような濃い格子模様の土地利用が連続するところでは区画の線が目立たないと思いました。そうかといって区画線を太い実線にしたのでは道路が浮き出てこなくなると思いました。
そこで区画の間に細い隙間をもうける方法で描いてみました。しかし,結果は大失敗でした。住宅のような淡い模様ではそれなりに目立ったのですが,本来目立って欲しかった商業などの濃い模様の所では逆に区画の境がぼやっとしてしまいました。これ以降はこのやり方をやめました。
もう一つ失敗したところが有ります。それは住宅の模様のトーンです。住宅の面積が地図全体に対して広かったので,淡く柔らかに見える乱記法のドットでも大丈夫だろうと思ったのです。しかし,製図が終わってみると住宅と宗教施設や運輸・流通施設の模様とトーンが似通ってしまい遠くから見ると見分けが付きにくくなってしまいました。この失敗に気づいたのはだいぶ後年になってからでした。