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つくば市中心部土地利用図(地域調査報告14号,1992年)

本図は前作の栗山地区の土地利用図をベースにして,これに出島村の土地利用図で使った作物を絵記号で表現する方法を組み合わせて作りました。濃淡のバランスから言えば周辺部の農村部と学園都市中心部の都市的なもののバランスは良いと思います。そのためこの地図は上手く出来ているように見えてしまうのですが,よく見ると中心部に多い商業・サービス業・業務などの分布が判読しにくくなっています。これは三つの分類の中の細かい業種を,模様の違いによって表そうとしたため,商業は格子模様,サービス業は縦線のハッチ,業務は斜め線のハッチという形態だけを変えて濃淡を余り気にしなかったために見づらくなってしまったのです。今の私なら,商業・サービス業・業務をそれぞれ濃淡を考えながら,一つの模様で統一し,中の細かい業種は文字記号で分けると思います。

考えてみれば人間が見分けられる濃淡の差は7~8種類程度が限度なので,よっぽどのことがない限り模様の数は増やさない方が良いと思います。本図を改めてじっくり見ると,細かな表現をたくさん使ったものだと感心しました。私が37歳の時の仕事なので目が良かった頃です。今ではとてもこんなに細かい表現を手描きで製図するのは無理でしょうね。また本図を製図するのに要した期間は約4ヶ月だったと思います。夏場の暑いさなかに残業して作業をしたのですが,当時の仕事場である自然学系棟B棟は夕方6時になると冷房が止まってしまうので仕方なく窓を全開にして行ったため,蚊にだいぶ悩まされました。蚊取り線香を製図台の下に置いて作業したのが懐かしいです。


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